Kickstart でインストールしてみようと思います。
インストールサーバ(Kickstart サーバ)を使用した Kickstart で
Linux のインストールを自動化することができます。
OVMS も基本的には Linux なので、Kickstart でインストールできます。
Kickstart サーバは、PXE ブートの起動イメージ、設定ファイル、
インストールメディアを配布する機能などをもちます。
Kickstart サーバ自体も Linuxで構築できるので、今回は Oracle Linux を Kickstart サーバにします。
まずは、Kickstart と、今回のサーバ構成の概要についてです。
KicakStart のインストール処理の概要
Kickstart によるインストール処理では、いくつかの機能が連携します。
簡単に説明すると、下記のようになります。
説明中でただ「サーバ」と記載しているのは、
Kickstart での「OS インストール対象サーバ」のことです。
- OS をインストールしたいサーバを起動する。
- サーバが PXE ブートという機能で DHCP サーバにアクセス。
- インストール中に使用する IP アドレスを自動設定してもらう。
- あわせて、ブートイメージを配布するTFTPサーバを教えてもらう。
- サーバが TFTP サーバ からブートイメージをダウンロードして、それで起動。
- サーバが、Web サーバにアクセス。
- カーネルのファイルを入手して、読み込む。
- Kickstart ファイルをもとにインストール処理をする。
- インストールメディアもこの Web サーバから入手して、インストールする。
- Kickstart ファイルにあるインストール事後処理のコマンドを実施。(あれば)
構築予定の環境
Kickstart サーバ今回は、1台のサーバに Kicksart に必要なものをすべてインストールします。
- HW: VirtualBox の VM
- OS: Oracle Linux 6.3 (64 bit 版)
ネットワーク構成
Kickstart には DHCP が必要なため、他の NW とは分けておきたいので
サーバに NIC を2つ用意して、Kickstart 用の NW を作っておきます。
- Kickstart用サーバには下記のIPを設定します。
- eth0: 192.168.56.110 → サーバへの通常アクセスに使用。
- eth1: 192.168.10.110 → Kickstart 用のNWに接続。
Kickstart サーバとして、下記の機能を持たせます。
各サービスは別々のサーバにインストールすることもできますが、
今回は1台のサーバ(VM)とします。
- DHCP サーバ
- TFTP サーバ
- Apache HTTP Server
(Kickstart ファイルやインストールメディアの配布サーバとして使用)
syslinux というパッケージをインストールします。
このパッケージには、PXE ブートで使用するブートイメージが含まれています。
インストール対象サーバ
今回は、OVMS をインストールするサーバも
VirtualBox の VM で用意します。
構成のイメージ図
下記のような環境を構築してみます。
設定作業は VirtualBox のコンソールではなく、
ホスト OS の Tera Term で 実施したかったので、
片方のネットワークを「ホストオンリーネットワーク」としています。
(補足)
今回 VirtualBox のホストオンリーネットワークがデフォルトで DHCP サーバの機能を持っています。
この VirtualBox のDHCP機能と、Kickstart 用 DHCP サーバとが衝突してしまうため、
今回はあえて、インストール対象サーバの eth0 を Kickstart 用の NW に接続しています。
これにより、インストール対象サーバが Kickstart 用サーバの DHCP から
設定情報を取得できるようになります。
(これは、本来なら eth1 にしたかったのですが、ちょっと妥協しました。)
以上、今回は Kickstart 構成の概要でした。
つづく
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